公職選挙法の買収の罪に問われている河井克行元法務大臣について、検察は「犯行は前代未聞で、選挙に対する信頼を失墜させた」として懲役4年を求刑しました。
元法務大臣の河井克行被告(58)は、妻の案里元参議院議員(47)が初当選した参議院選挙をめぐる買収の罪に問われていて、30日、検察が論告を行いました。
この中で検察は、元大臣の陣営での役割について、「事務所スタッフらの活動内容を把握して指示を出していたことから、選挙活動を取りしきる総括主宰者と認められる」と述べました。
元大臣が否認している案里元議員との共謀については、「2人は夫婦関係にあり、日常から選挙のことを話す関係で、密に情報を共有していて、意を通じていた」として、共謀は成立すると主張しました。
そのうえで、「国会議員が犯行全般を首謀し、わが国の犯罪史上、突出して悪質で、前代未聞だ。地元の政界を大きく混乱させた現職による買収事件で、選挙に対する信頼を失墜させた」として、懲役4年と追徴金150万円を求刑しました。
裁判は5月18日に弁護側が最終弁論を行い、すべての審理が終わる予定です。