兵庫県淡路島でおよそ7200万年前の地層から見つかった化石が新種の恐竜のものだとわかり、島ゆかりの神話にちなみ「ヤマトサウルス・イザナギイ」と名付けられました。
この化石は、17年前の平成16年5月に兵庫県洲本市のおよそ7200万年前の白亜紀末期の地層から、県内の化石の愛好家、岸本眞五さんが発見しました。
その後、兵庫県立人と自然の博物館による調査も行われ、岸本さんが発見したものと合わせて23点の化石が見つかり、北海道大学総合博物館の小林快次教授らのグループが解析を行いました。
その結果、見つかった化石は、白亜紀の後期に繁栄し、多様に進化したハドロサウルス科という草食恐竜の仲間の下あごの部分で、骨や歯の並び方などから新種だとわかりました。
体長は7メートルから8メートル、重さは4トンから6トンで、学名を古代の日本を示す「倭」と、淡路島ゆかりの神話に登場する神「伊弉諾」にちなんで「ヤマトサウルス・イザナギイ」と名付けられました。
岸本さんは「日本の、淡路の恐竜だと分かる名前をつけてくれて感謝しています。多くの人に知ってもらいたいです」と話していました。
また、小林教授は「海辺から見つかった化石であり貴重な発見だ。環境が恐竜の進化に与えた影響などをこれから明らかにしていきたい」と述べました。
研究成果は、イギリスの科学雑誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載されています。
また、発見された化石の実物は、来月12日から兵庫県三田市の県立人と自然の博物館で展示される予定です。