福岡市・天神の商業施設「天神コア」の最終営業日となった31日、買い物客らはそれぞれの思いを胸になじみの店などを巡り、1976年の開業以来44年間、若者文化を発信した天神の“顔”の閉館を惜しんだ。
天神コア開業前にあった西鉄商店街(西鉄街)時代から、この地で営業する岩田時計店には常連客などが来店。岩田哲夫社長(56)は「なかなか最後という実感が湧かないが、お客さんたちと話していると本当になくなるのだと感じる」と寂しそうだった。
新型コロナウイルスの感染拡大で人混みを避けるためとして、閉館後のあいさつは動画サイトで生配信され、原野博仁館長は「若者のファッションの起点として支えられたことに感謝する」と頭を下げた。
天神コアは、福岡市が進める再開発促進事業「天神ビッグバン」の目玉として、隣接するビブレ跡や福岡ビル跡と一体的に2024年夏に地上19階、地下4階の複合ビルに生まれ変わる。