福岡市東区のマンションでくいの施工不良による傾きが起きている問題で、住民の9割超が建て替えに賛同していることが30日分かった。
販売した共同企業体(JV)は同日、住民説明会を開き、建て替えを前提に補償費用などを説明。長年不具合が発生したことに対する「迷惑料」を各戸に支払うことも明らかにした。
このマンションは若築建設などが施工し、同社と福岡商事、JR九州によるJVが販売した。1995年の入居直後から床や壁のひび割れや隙間など不具合が多発し、
住民側は補修を求めてきた。JV側は施工不良を認め、7月に3社社長が現地で住民に謝罪した上で、補修と建て替えの2案を住民に提示していた。
管理組合が今月、六番館住民60戸に対して行ったアンケートでは9割超の住民が建て替え案に賛同。
JV側は説明会で、建て替えを前提に工事に伴う引っ越し費用や仮住居の家賃などJVが負担する費用を示した。
「迷惑料」は床の傾きや壁・天井の隙間、ドアの開閉状況などを来月調査した上で、居住年数も加味して算定するという。
建て替えには「六番館」住民の5分の4の議決と、周辺棟も合わせた住民の4分の3の承認議決が必要。議決は11月に行われる。
JV側は建て替える場合、最短で来年4月にも着工すると説明した。