気象庁は豪雨の監視能力を強化するため、福岡、佐賀両県境の脊振山に設置している福岡気象レーダーを来年1月にも最新型に更新する。
2種類の電波を垂直、水平方向に同時に発射することで、これまで分からなかった雲の中の雨粒の大きさや形を把握でき、
予報の精度向上につながるという。
最新型の導入は全国20カ所のうち、今年3月に運用開始した東京気象レーダー(千葉県)に次いで2カ所目。福岡の更新は約11年ぶりとなる。
気象レーダーは、アンテナを回転させながら電波を発射し、半径数百キロ圏内の雨を観測する。
発射した電波が戻ってくるまでの時間から雨までの距離を測り、戻ってきた電波の強さから雨の強さが分かる。
最新型は「二重偏波気象ドップラーレーダー」。発射する電波が従来の1種類から2種類に増え、
雨の強さをより正確に把握でき、線状降水帯など局地的な大雨の観測や予測、積乱雲の盛衰予測に役立つ。
雲の中の粒子が雨、雪、ひょう、あられのどの種類かも調べられるようになる。アンテナの回転速度が上がり、
観測に要する時間が半減する利点もあるという。