今年5月、太平洋上で戦闘機を発艦させる「遼寧」(防衛省提供)© 読売新聞 今年5月、太平洋上で戦闘機を発艦させる「遼寧」(防衛省提供) 防衛省は7日、今年5月に、領空侵犯の恐れがある外国軍機に、航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)した回数が前年同月の約4・5倍にあたる119回に上ったと発表した。中国軍の空母「遼寧」が太平洋上で艦載機の発着艦を繰り返したほか、中露の爆撃機による共同飛行など外国軍機の動きが活発化したことが回数を押し上げた。同省統合幕僚監部によると、対中国機のスクランブルは前年同月比73回増の93回で、対ロシア機は同20回増の26回だった。全119回の約7割にあたる81回は沖縄・南西諸島地域を担当する南西航空方面隊の戦闘機が対応した。

遼寧は5月、沖縄沖の太平洋上で、戦闘機やヘリコプターの発着艦を300回以上繰り返した。同月24日には、ロシアによるウクライナ侵攻後初めて、中国軍とロシア軍の爆撃機が、日本海や太平洋を共同飛行した。

同省幹部は「遼寧をはじめとする中国の軍事活動の活発化に伴い、今後もスクランブル回数が増加していく可能性がある」と分析している。