新型コロナウイルスの感染が拡大した影響で、福岡空港では、ことし3月の国内線・国際線の乗客が、前の年の4割にまで落ち込みました。
運営会社のグループ全体での3月までの1年間の決算は、最終的な損益が93億円の赤字に悪化しました。
福岡空港の運営会社「福岡国際空港」によりますと、ことし3月までの1年間の国内線・国際線の乗客は2303万人あまりと前の年から7%減少し、会社側の当初の計画を207万人下回りました。
去年8月以降、日韓関係の悪化を背景に国際線の乗客が落ち込んだことに加えて、ことしに入ってからは、新型コロナウイルスの感染が海外・国内の双方で拡大した影響を大きく受けたということです。
3月の1か月間では、国内線・国際線の乗客があわせて91万人あまりと、前の年の4割にまで落ち込み、国際線に限ると、前の年のわずか7%にとどまっています。
こうしたなか、ことし3月までの1年間のグループ全体の決算は、売り上げが434億円と当初の計画を71億円下回り、最終的な損益は93億円の赤字となって、当初の計画から28億円悪化しました。
記者会見した永竿哲哉社長は、2025年に2本目の滑走路の完成を目指す国の計画に関連して、「客を受け入れる環境を整えることは空港の使命だ」と述べ、旅客ビルや複合施設の整備などの事業は、計画通り進めたいとする考えを示しました。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、世界中で海外への渡航が制限されていることもあり、空港だけでなく、新幹線や高速バス、旅行会社にも大きな打撃を与えているようです。
一刻も早い新型コロナウイルスの終息を祈るばかりです。