福岡市は市中心部の大規模再開発事業「天神ビッグバン」と「博多コネクティッド」を巡り、換気機能の強化や非接触検温センサーの導入など新型コロナウイルス対策を取り入れて建て替えるビルについて、容積率を最大50%上乗せする市独自の優遇制度の対象に加える方針を固めた。天神ビッグバンの期限も、当初の2024年末完成から26年末まで2年間延長する。
高島宗一郎市長が27日午後、記者会見を開いて発表する。
コロナ禍の終息が見通せない中、昼間人口の多い都心部を中心に新型コロナに対応した街づくりが世界的な課題となっている。市は天神や博多エリアのビル建て替えに合わせて、市を「世界に先駆けた『感染対応シティ』にする」(市幹部)狙いだ。
市は、優遇制度の対象に加えるビルについて「接触を減らし、身体的距離を確保できる」ことを条件とする。取り組み例としては、換気設備の強化のほかエレベーターのタッチレス化や大型化、顔認証入退エントランス、非接触検温センサー、人数検知技術を活用した入室分散管理システムなどの導入を想定している。
天神ビッグバンと博多コネクティッドは、規制緩和などによって更新期を迎えたビルの建て替えを促すプロジェクト。建物のデザイン性の高さや緑化の推進、広場や駅につながる通路の設置など街の回遊性向上に寄与することなどを条件に、既存の緩和制度に加えて容積率を最大50%上乗せするなどのインセンティブが得られる。